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ごきげんなときに書く日記
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 回転寿司。
それはさながら荒れ狂う大渦。
男たちは自らの肉体のみを頼りにその奔流に身を投げ出し、
激流の中、各々の欲するネタをつかみ取る。
一皿100円で。
すげぇぜ回転寿司、どれをとっても一皿100円、サイコーだ!

 …というわけで、今回は回転寿司の話です。
あれは確か僕が7歳くらいの頃、
父に連れられて回転寿司屋に行きました。
回転寿司は値段の安さもさることながら、
その品揃えにも目を見張るものがあります。
マグロ、サーモン、イクラ、
ハンバーグ、たこ焼き、ヴァリアントメイル…。
などなど、もはやそれは鮨(すし)じゃないだろ!
ってなものまで流れてきます。
テーブル席に座った僕は、ちょうど流れてきたヴァリアントメイルを一目見て、
すごい! こんなものまで100円なのか、キャッホー!
と叫ぶなりすぐさまその皿を手に取っていました。
多分、興奮で鼻毛が出ていたんじゃないかと思います。
僕より少し遅れて席に着いた父が言いました。
「あぁ、遊句、ヴァリアントメイル取ったのか。
 それはちょっと大人の味だからなぁ。
 食べられなかったら無理しなくていいぞ。」
案の定、ヴァリアントメイルは当時の僕にはかたすぎて
全く歯が立ちませんでした。
無理もありません。ヴァリアントメイルは最強の防御力を誇るヨロイなのですから。
「武器や防具はただ持っているだけじゃなく、
 ちゃんと装備しておかないと効果がないぜ。」
という言葉を信じていた僕にとって、
装備されていないヴァリアントメイルのかたさは大きな驚きでした。

 …って何だよこれ!
いくらなんでも支離滅裂すぎるってば。
ていうか、ウソつきすぎ。
ヴァリアントメイルが回転寿司屋で流れるかコノヤロー!

 いけませんね、これは。
誠に遺憾です、激しく反省するべきです。
よって、ここからはノンフィクションでお送りいたします。

 先日、僕は父に連れられて回転寿司屋に行きました。
…いや、ホント、これはホントだから。
それでまあ、鮨なる物体を半笑いで食していたところ、
不意に、突如に、ゲリラ的に、
僕を尿意なる感覚が襲ったのです。
僕はハァッ、これはまさか悪霊の仕業では!? と思いながらも、
周りの客に気づかれぬよう、そっと、やさしく、天使の肌触りで席を離れ、
ネコまっしぐらにトイレへと向かいました。
そしてあくまで何気なく用を足していると、
個室の中から何やらオッサンらしき人の声が聞こえてきたのです。
「ふぅぃー、スッキリしたー。
 スッキリクッキリぃー。」
僕は、ヤバイ、こいつはひょっとすると変態だ。
と思いました。
しかし、それと同時にやられたー!
とも思いました。
何故ならばこのオッサンは、何も言葉を発していない僕と比べ、
自分という存在を明確に主張しているのです。
はっきり言って、オッサンのこのセリフはおいしいです。
もしもこのトイレでの一コマをマンガにして人気投票を行ったならば、
大差でオッサンが勝利するに違いありません。
僕がオッサンに勝とうとするならば、
オッサン以上の個性を表現するしかないのです。
僕はオッサンに勝つためのセリフを必死に考えました。
「あぁ、なんと清々しい気分だろう!
 まるでこの水洗便所が僕の罪、汚れ、煩悩を洗い流してくれたかのようだ。
 21世紀のテクノロジーはこの罪深き身をもお許し下さるのか! 
 レッツ水洗便所! ビバ水洗便所!
 僕は今日から水洗便所教の信者だハッハッハァー!」
けれども、僕にはこのセリフを
口に出す勇気はありませんでした。
オッサンは恥ずかしさに負けずに自己を主張したというのに。
悔しいけれど、完全に僕の負けでした。

水が流れる音がして、個室のドアが開きました。
僕は尊敬の眼差しでオッサンを見つめました。
僕と目があったオッサンは、少しばつが悪そうに笑い、
手も洗わずにトイレを後にしたのでした。
 

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